公衆電話、利用者も殆ど無く最近は寂しい限りですよね。
たまに使っている人と言えばお年寄りとか、まだ携帯を持たされていない小さな子供たちとか、コーリングカードで国際電話をかけようとする海外の旅行者(留学生?)とか。
でも唯一人気を博した時期がありました。それは記憶に新しい311震災の直後です。携帯電話網やNTT東日本の電話交換網に制限がかけられ、多くの人は自分の携帯から繋がらず、渋谷の駅前などでは公衆電話に長い行列ができる事態となりました。
公衆電話は電話網における優先度が違うため、一般電話よりつながりやすいため、皆公衆電話に集中したというわけです。
この公衆電話ボックス、何か他の役割はできないかといつも思うんですね。なんか普段あまり役にたってなくてもったいないというか。
そこで提案。
公衆電話にWIFIアンテナをつけて、NTT東日本の光ファイバーインフラでインターネットにつながるようにする。(ありきたりですが)
ただこれだけならべつにAUでもSOFTBANK WIFIでもいいじゃないかと思われますよね。
ところがこれらのWIFI、コンビニ周辺とか、ハンバーガショップ、大手商業施設はつながることが多いですが、かならずつながる場所はどこ?というとこれがなかなか思いつかないんですね。
LTEなどの4Gネットワークが普及してきて、その必要もないのでは?と思われ方も多いと思いますが、311の震災時、多くの無線基地局がダウンし、トラフィックが集中して事実上機能しなくなりました。
すべてを携帯やスマホの無線通信に依存して本当に大丈夫だろうかというのが自分の素朴な疑問です。
ついでに言うと、公衆電話起点のWIFIはIP電話などがつながりやすいよう、050体型のIP電話網に優先的につながるようなルーティングをすればなお良いかもしれません。
大事なことは緊急時に動くこと。
電話線には常時48Vの電力が供給されていますから、停電時でも電話局の電源が生きていれば電話線に電力は供給されます。
一般の交流電源とお互いバックアップするよう仕込んでおけばなお良いでしょう。
大事なことはある程度の震災規模(例えば震度6以上)の震災が起きたらWIFIを開放し、もし緊急時に電話がダメでもネットがつながるようにしておけば良いわけです。
(NTTは実際、311震災当時、一部の電話網を無償開放しました)
通常はNTT東日本の有償WIFI拠点として活用し、緊急時は無償(誰でもネットに繋げられる)とすればなお良いでしょう。
最近は震災対策で自前でUPSバッテリーを入れている事業所も増えてきました。しかし通信インフラ全体で落ちないネットワークを構成するにはそれなりの設備と冗長化の仕組みが必要です。
公衆電話事業はNTTの中では赤字事業で、社会インフラ上、必要不可欠であるため現在もだれも使用者がいなくてもサービスが維持されています。
インターネットが爆発的に普及する少し前はISDN公衆電話というねずみ色の公衆電話が普及し、ネット接続を前提にした設備も整えられましたが、すぐに爆発的に普及した携帯電話やWifi機器によるネット接続が一般化し、公衆電話からのISDN接続はその低速さ故、結局現在ではほとんど誰も使うことがないという状況になってしまいました、
要はNTTの目論見が見事に外れたわけですね。
NTTがISDNにしがみついている間、アメリカではADSLが爆発的に普及し、あっという間にISDNの座を奪うこととなり、NTTはやむなく光ファイバーによるFTTHを前提としたサービスを低価格で供給せざるを得なくなりました。
こうして取り残されたISDN公衆電話。もう、進化を止めてしまったようで、ここ15年くらいは全く仕様は変わっていません。
個人的にはなんとか有効活用して欲しいと願いますが、現在はもう災害対策電話的な位置づけですから、これからも進化を遂げることはないでしょうね。
いつか公衆電話が見直される日は果たしてやてくるでしょうか?
モナカ
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