前回のテーマは渋滞でした。
今回は最近話題のビッグデータと渋滞というテーマで書いてみたいと思います。
ビッグデータとは何か。もう、IT関連の記事とか新聞で多数紹介されているのでそれが何かはほかのサイトで調べてみていただけると助かりますが、要するにクラウドに蓄積された多くのデータを分析して、ビジネスや社会に役立てようというものです。
例えばTwitterやGoogle検索。どんな言葉がよくつぶやかれているか、あるいは検索されているか、など。
一例として身近なところでは各社発行のポイントカード。例えばTSUTAYAのポイントカードとか、PONTAとか。どのユーザーがどんな買い物をしているか。どこで買い物しているか。金額の平均値は?などなど、様々なデータが収集できます。
これを個人情報と組み合わせると、その人の嗜好にあったピンポイントの広告やPRをできるというわけですね。
今回はこういった個人向けのマーケティングではなく、道路情報と信号の動きを結びつかたらどうだろうという提案です。(一部ではすでに行われていると思いますが。)
最近の車はネットに繋がるカーナビ(例えばホンダの提供するInternavi、トヨタのG-Bookなど)がかなりの割合で普及していて、リアルタイムに近い交通状況、例えば車がどの道路でノロノロ運転しているかなどといった情報が収集されていて、これがカーナビなどのルート選択に反映されています。
また国土交通省もVICSというシステムを運用しています。VICSは道路上に設置されたセンサーなどを駆使し、渋滞などの道路交通情報を体系的に収集し、それを無線電波を通じてカーナビに渋滞情報などを提供するサービスです。
高速道路などには道路管理用のセンサーやカメラが多数設置されており、これをもとに渋滞情報を割り出し、交通情報として提供しているわけです。
こういった様々な自動車の移動情報を収集し、信号機の動きに反映させられれば、特に都内の一般道などはかなりの割合で渋滞は避けられるのではないでしょうか。(高速道路は別として)
普段車で街を走り、信号待ちをしていると、横切る道路がほとんど交通量がないのに信号が変わる間隔は長く、これらの信号機の変更間隔は通常一定で、今は警視庁などが予め決めた時間で信号機の切り換わりのタイミングは制御されていて、通常、信号機の青信号時間が長かったり短かったり変化することはありません。(ラッシュ時や、夜間など、一部は制御されていいるようですが)
これを上記のビッグデータと組み合わせたらどうでしょう。
例えばある通りで東西方向の交通で渋滞が発生し、南北方向の交通は車が少ないとしましょう。通常は交通量に関係なく、南北が優先道路ならそちらのほうが青信号の時間が長く、非幹線道路は短いわけですが、これを微妙に調整し、交通量の多い側の青信号を若干長めに設定するという事も可能になってきます。5-10秒程度変化させるだけでも随分違うと思います。
渋滞対策に膨大な予算をつぎ込んで道路を拡張したり、新規路線を開拓することもある程度は必要かもしれませんが、今は交通の流れをデータとして把握できる時代なので、交通ビッグデータと信号機を組み合わせ、もっともスムースに流れるような信号機の設定をすることも不可能ではないと思われます。
余談ですがアメリカのNJ周などは、自動車専用道路(日本で言う首都高みたいな幹線高速道路)の中央より車線が朝はバス専用となり、朝の通勤時間帯は路線バスが渋滞する一般車線を横目に面白いように流れていきます。
車線を可変させて朝のラッシュに対応させることに日本では行われていますが、日本では一般道では行われていますが、高速道路ではきいたことがありませんね。
信号機ならともかく車線となると警察の交通整理等の必要性も出てきますから、これらを自動化することは難しいと思いますが、信号機の時間調整程度なら今でもできないことはないはずです。
日本の道路政策は渋滞対策のために高速を整備したり、バイパスを造ってみたりするわけで、一定の地域ではこれは必要というのは理解出来ますが、高速道路などは道路公団時代から大赤字で、Nexco各社に再編されてからは昔のようにどんどん新規路線を造れるという状況ではなくなっています。
高速道路の場合信号機はないのであまり流れをコントロールできる方法はありませんが、将来、自動車の自動運転機能が発達すれば、これらにペースメーカー車になってもらい、交通の流れを制御することも不可能ではないかもしれませんね。
車に乗らない人は、交通渋滞なんて自分に関係ない、と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、間接的には密接に結びついています。(例えば近所の宅配便、スーパーやコンビニの納品車などなど)
これらの車が渋滞に巻き込まれることは時間の無駄遣いをしていることに他ならず、間接的には実は多大なコストを強いられているわけです。
先に述べたVICSという仕組み、財団法人道路交通情報通信システムセンターというところが運営していますが、なにやら国交省の天下りのための組織の匂いがプンプンしてきますが、こういうところが率先してもっと身近な生活道路等の交通改善に貢献してくれればいいのですが、この手の財団はどうもお金は天下りの支出に優先的に使われるようですから、まぁあまり期待はしていません。
ただ、この時代に云えることは本気で取り組めばこういったビッグデータを使った交通管制も可能な時代になってきたということですね。
現在の通信機能付きカーナビはどこが渋滞しているかを把握して、渋滞を避ける最適ルートを提供するわけですが、そこまでわかってるならまず、根本的な渋滞を解決する仕組みを整備してほしいというのが自分の意見なわけです。
環境は整っていてあとは収集された情報と交通管制のシステムを結びつけ、交通を最適化するだけの話ですから。(コンピュータによる交通情報解析も必要でしょうね)
ちなみに車の通行情報は311の大震災の際、ビッグデータとして情報収集され、岩手、宮城、福島などで車が通れる道路情報の提供に多大な貢献をしています。
(車が通った軌跡をネットで提供し、通行実績のある道路がネットで公開された)
データはそこにあるのです。本気でやれば日本の技術でできます。問題は役人とか、天下りしか眼中にない人たちがこういったことにあまりお金を使いたがらないことですね。
渋滞がなくなれば道路も要らなくなってしまうかもしれないし、そうすると道路予算も減ってしまいます。道路利権で食べている人たちにとって予算が減ることは重大問題ですから新しい取り組みで問題が解決するとわかっていてもやらないわけですね。
天下りは日本の病でもありますが、こればかりはなかなか解決できようで国民病といってもいいのかもしれませんね。
なんだか話が脱線して天下りの愚痴っぽくなってきましたので、このへんで締めます。
モナカ
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